昨日(2010.11.10)の新聞に「電機8社純利益リーマン前超え」という記事がありました。
『電機大手の業績が急回復し、リーマン・ショック前の水準を上回った。9日出そろった大手8社の2010年4~9月期の連結純利益の合計額は08年4~9月期の1.4倍に達した。リストラで利益が出やすくなったところに家電エコポイントや新興国重要が追い風となり、回復ピッチを速めている』
各社がリーマン・ショック後に大がかりなリストラを進めたことが功を奏しているようです。
なかでも、東芝の2010年4~9月期決算は、連結最終利益が278億円の黒字(前年同期は、575億円の赤字)と3期ぶりの黒字に転換したとあります。
実はこの結果を手放しでは喜んではいけません。リストラの中身が重要なのです。たとえば、ソニーのテレビ事業などの生産拠点の集約に対して、東芝は研究開発費などの固定費を前期の1年間で4,300億円削減しています。
固定費の削減といっても、研究開発投資、広告宣伝費、教育研修費などは、将来のリターンのためには、なくてはならないものです。
これらの戦略的な費用を削減するということは、足もとの利益の増加につながるものの、将来のリターンを失う可能性があることを私たちは意識しておかねばなりません。