預金1000兆円突破時代の運用方法とは

金融機関に預金が集まり続けているといいます。2017年6月11日付日経新聞によれば、銀行や信用金庫などの預金残高は2017年3月末時点で、過去最高の1,053兆円となったとのことです。日銀のマイナス金利政策で金利はほぼゼロにもかかわらず、中高年が虎の子の退職金や年金を預け続けていることが考えられます。

一方で、日本郵政がこれまでの「貯金頼み」の経営を転換していくという報道がありました。グループの日本郵便とゆうちょ銀行が、7日に投資信託の販売拡大策を発表したのです。投信の販売・紹介拠点を大幅に増やし、全国約2万の郵便局のうち9割で投信事業を手掛けるようになるといいます。足元で約180兆円にのぼる貯金額をねらって、投信販売による手数料収入を強化し、経営の軸足を「貯蓄から投資へ」と移していくとのことです。

運用の素人(失礼ですが)の窓口担当者がこれまた金融リテラシーがない高齢者に投信を販売していくのかと思うと暗い気持ちになります。販売している当事者ですら自己資金を預貯金以外で運用したことなどないでしょうからね。リターンばかり説明してリスクなど説明できはしないでしょう。

それでは、私たちは一体何に投資をするべきなのでしょうか。ファイナンスのポートフォリオ理論ではこう結論づけています。合理的な投資家はマーケットポートフォリオと国債などのリスクフリー資産を組み合わせたポートフォリオを保有すべきだということです。もし、あなたが全くリスクを取りたくなければ、すべての資金を例えば「個人向け国債変動金利型10年満期」に投資すればいいわけです。

日本の国債であれば、国が支払を保証していますから、1金融機関ごとに合算して預金者1人当たり元本1,000万円と利息までしか保護されない預貯金よりは安全なはずです。また、長期国債10年物利回りがマイナスになってしまう時代においても、下限は0.05%に設定されているというのも安心でしょう。

マーケットポートフォリオとリスクフリー資産の保有割合は、投資家としてのあなたのリスク許容度によって変わってきます。ただ、リスク資産として保有するのは、マーケットポートフォリオであるべきです。

理論的には、マーケットポートフォリオは市場のすべての資産を含んでいることになりますが、実際には市場には不動産、未上場株式など証券市場では取引されていない資産は多くあります。したがって、マーケットポートフォリオはあくまでも抽象概念です。

しかし、投資家は国債などのリスクフリー資産と十分にリスク分散された資産を所有すべきだ、ということは間違いありません。このような考え方から、「TOPIX」や「S&P500」などのインデックス(指数)に連動するファンドが生まれたのです。

投資信託には、インデックスファンド以外にも、ファンドマネージャーが市場の平均リターン以上のリターンを稼ぐことを目指すアクティブファンドというものがあります。そのようなアクティブファンドは、えてして販売手数料や運用管理手数料が高く設定されています。一方、インデックスファンドはインデックスの構成をそのままマネすればいいので運用管理手数料も安いことが多いのです。

運用の世界では、アクティブファンドの平均的なパフォーマンスはインデックスファンドのパフォーマンスを下回っているというのが常識です。もちろん、市場のリターンを超えるアクティブファンドもありますが、将来もそうであるとは限りません。金融機関の人間のアドバイスを聞くよりも、自分で勝手にインデックスファンドと国債に投資するのが一番だと思います。

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