前回のブログ「初めて投資をする人へ: 新NISAとインデックスファンドの魅力」を読んだ友人から投資リスクについて質問がありました。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の投資信託説明書(交付目論見書)を参考にしましょう。
このeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(以下、オルカン・インデックス)と連動しています。このインデックス(株価指数)は、MSCI.Incが開発し、先進国23カ国と新興国24カ国の株式で構成されており、その60%が米国の株式を占めています。オールカントリーと言っても全ての国というわけではありません。投資リスクに注目すると、ファンドの基準価額は変動します。つまり、元本が保証されていないため、元本割れのリスクがあるということです。
「マイインデックス」というサイトを活用して、過去のパフォーマンスを確認しましょう。過去30年の年率平均リターンは7.5%で、この期間のリスク(標準偏差)は15.3%です。標準偏差の値から、このインデックスのリターンの68.3%が22.8%(=7.5%+15.3%)と-7.8%(=7.5%-15.3%)の間に収まっていたことがわかります。ちなみに、2008年のリーマンショック時のリターンは-49%でした。それでも、30年前に100円投資をしていれば、30年後には、877円になるだけのパフォーマンスだったのです。
一方、S&P500の過去30年の年率平均は9.8%です。私たちが投資した100円が30年で1639円になることを意味しています。わずか2%強の違いが30年もの長期なると大きな差を生むことがわかります。ただ、投資は、リターンだけでなく、リスクとのバランスが大切です。シャープレシオ(Sharpe Ratio)は、対象となる金融資産がリスクに見合ったリターンを上げているかを見る指標で、「(リターン-リスクフリーレート)/ リスク」で求めます。
この式の分子は、リスクをとることによって得たリスクプレミアムを意味しており、分母はリスク(標準偏差)を意味しています。したがって、シャープレシオは、リスクをとることによってどれだけ効率よくリターンを上げることができたかを示します。この値が大きいほど、運用効率が高いとされます。S&P500とオルカン・インデックスでそれほど差はないことがわかります。だったら、S&P500を選ぶというかもしれません。
ただ、当然ですが、過去の実績は未来を約束するものではありません。今後の新興国の成長をどう考えるかだと思います。私が友人に薦めたこの本「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を推しています。この本を読むことで、投資に関する理解が深まるでしょう。そして、知識を武器に、次のステップへと進んでください。成功への道は、行動から始まります。
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