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過去最高の15兆円配当、日本企業の未来

2023年9月15日付の日経新聞によると、上場企業の株主還元活動が活発化しているようです。2023年4~6月期決算を受け、2024年3月期の配当予想を上方修正する企業が43社に上ります。これは金融危機後で3番目に多い数値です。さらに、全体の3割が前期比で増配を予定しており、その配当総額は驚くべき15兆円と過去最高の見通しとなっています。この背景には、企業の手元資金の増加と、東京証券取引所からのPBR(株価純資産倍率)向上の要請が挙げられます。

日本の上場企業が毎年、大量のキャッシュを稼ぎ出していることは明らかで、その多くが株主還元に向けられていることも確認できます。上場企業全体の売上総利益の分配状況を示す下図を見ると、「売上高」が1991年を境に横ばいとなっていることが確認できます。これは、日本経済が「失われた30年」とも称される長期停滞に入ったことを示しています。


出所:「法人企業統計」:「配当+自社株買い」は法人企業統計とFinancial Questを利用してスズキ研究室(早稲田大学、アライアンス・フォーラム財団公益資本主義研究部門)作成

事業のライフサイクルは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのフェーズがあります。
-導入期:新しい製品やサービスが市場に登場し、徐々に認知され始める期間。
-成長期:製品やサービスの需要が急増し、売上が大きく伸びる期間。
-成熟期:市場の成長が鈍化し、競争が激化する期間。
-衰退期:市場の縮小や新たな技術の出現により、製品やサービスの需要が減少する期間。

これらのフェーズを考慮すると、日本の上場企業の大多数は「成熟期」に位置していると言えるでしょう。

過去30年の役員や従業員の給与の動向、R&Dや設備投資の減少率を見ると、1991年以降、これらの項目は低下しています。一方で、株主還元額は1960年と比較して100倍以上に増加しています。このデータから、日本の上場企業が稼ぎ出すキャッシュの大部分が株主還元に使われていることが明らかです。

多くのメディアの報道を通じて、日本企業の株主還元が不足しているとの印象を持つ方も多いかと思います。確かに、株主還元は企業経営において重要な要素の一つです。しかし、それだけを追求するのではなく、未来への投資という視点も絶対に忘れてはなりません。最終的に、企業価値は持続的な投資と成長によって創造されるのです。

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