設備投資の判断指標の主なものにNPV(=Net Present Value=正味現在価値)とIRR(=Internal Rate of Return)の二つがあります。
この二つの指標ですが、商社に人気のIRRには、実は大きな弱点があります。それは規模の違いをとらえることができないということです。
たとえば、100円投資して、1年後に150円のキャッシュインがある場合と100万円投資して、1年後に120万円のキャッシュインがある場合を考えてみましょう。
前者のIRRは50%で、後者のIRRは20%です。単純に収益率が高い50%を選択するとしたら、間違いです。
経営者として、どちらを選ぶかは明白です。経営者はこう言うかも知れません。
「俺たち、率で飯食っているんじゃなくて、額で給料払っているんだよ。」
そうなんです。誰が言ったか知りませんが、経営は「率」より「額」が大事なんです。