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ニデックがTAKISAWAを買収へ

ニデックが、工作機械のTAKISAWAを買収することが決まりそうです。9月13日にTAKISAWAが、ニデックからのTOB(株式公開買い付け)の提案を受け入れると発表しました。TAKISAWAは、株主に対して、TOBへの応募を推奨しました。ニデックは、この買収でTAKISAWAの旋盤を手に入れることができ、工作機械事業の強化が期待されます。

TOBの価格である2600円は、提案1カ月前の株価の約2倍です。通常、TOBの価格は、買収対象企業の直近1カ月や3カ月間の平均株価に3割程度の上乗せすることが多いのですが、今回はニデックが大胆にも10割のプレミアムをつけました。

ちなみに、TAKISAWAの原田社長は、ニデックの傘下に入ることは「当社にとってプラス」と言っています。工作機械業界の厳しい状況を考えると、ニデックと一緒に世界一を目指す方が、従業員や取引先も幸せになれるとしています。

ニデックは、工作機械事業の強化のために、M&Aを進めています。ニデックは、工作機械の中でも「旋盤」という部分が課題でした。でも、TAKISAWAを傘下に入れることで、その課題を解決できるかもしれません。業界関係者は、ニデックにまだ足りない品ぞろえは、放電加工機や研削盤だといいます。

ニデックの永守重信会長兼CEOは「買収を成功させるまでには平均4~5年かかる」と言っています。「M&Aの遅れが、日本の新興企業の成長を遅らせている理由の一つ」とも言っており、さらなるM&A市場の活性化が必要だと語っています。そんな永守氏の次のターゲットは、放電加工機でシェアが高いソディック、研削盤では、黒田精工だとまことしやかに言われはじめています。

いずれにしても、かつての日本の社会では、M&Aはあまり歓迎されていませんでした。M&Aはただのマネーゲームではありません。むしろ、企業の再編を通して、資源の最適化を図ることで、社会や経済を活性化する手段として捉えるべきです。今回のTOBでM&Aや敵対的買収が受け入れられる環境が整ってきたともいえます。

企業経営者としては、平時から自社の資本効率性や収益性を高め、企業価値を向上させることこそが王道の買収防衛策と言えるかと思います。また、従業員にとっても、買収されたことによって、より活躍の場が広がる可能性もあります。決して、買収されることがネガティブなことではないという意識がさらに広がればいいと思います。

参考ブログ「業界再編の兆し? ニデックとTAKISAWAの買収劇

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