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売れないソフトバンクの社債

ソフトバンクの行く末に暗雲が立ちこめています。

ソフトバンクグループの業績に関しては、以前のブログ「ソフトバンクの行く末」に書いてありますので、そちらを参考にして下さい。

2016年10月6日付日経新聞「ソフトバンク、売れない社債が示す教訓」をご覧いただきましょう(一部抜粋)。


今回、個人向けに発行したハイブリッド債は4000億円。当初5年間の利率が高めであることから、人気を集めて売れ行きは順調だった。だが、対照的に機関投資家向けは需要がさほど積み上がらず、発行額は710億円にとどまった。この結果にソフトバンクが受けた衝撃は大きい。当初、全体で6000億~7000億円程度の発行規模を見込んでいたからだ。もともとハイブリッド債の発行は、3兆3000億円を投じた英半導体設計大手アーム・ホールディングスの買収後の資金手当てが狙いだった。2017年3月期中に総額1兆円程度のハイブリッド債を発行する計画だったが、9月の第1弾が目標を大きく下回ったことで目算に狂いが生じている。


プロの機関投資家には売れなくて、個人に大人気というのはどういうことでしょうか。このハイブリッド債は、ソフトバンク側の判断で繰り上げ償還したり、利払いを繰り延べたりできる条項がつきます。その代わり25年債の場合は、当初5年間の利率が3%になっているわけです。

個人に売れているのは、主幹事のみずほ証券が、「実質的には、5年債で3%の金利は高い」というセールス文句で販売しているからという噂があります。先述した通り、ソフトバンク側が期限前に償還するかを選択できるわけですが、現在のソフトバンクのキャッシュフローからして償還しないという可能性は十分にあります。

ソフトバンクグループの現在の格付けは、S&PがBB+、Moody’sがBa1と「投機的」となっています。つまり、プロである機関投資家からすれば、金利3%ではとてもじゃないけど、リスクに見合ったリターンになっていないということでしょう。

それにしても、リターンの高さに目がくらみ、ソフトバンクのリスクに思いがいたらない個人投資家が未だに多い現実が残念でなりません。

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